「聖夜 娘へのお願い」 今朝の朝刊に、こんな切ない読者からの便りがあった。
クリスマスが近づくと毎年、食事中に向かい合って座っているときなどに娘が「何か欲しいものある?」と聞いてきた。私は「別に」。それでも、娘はいつもちゃんとプレゼントを用意してくれていた。セーターなどをいつの間にか買って、見つからないようにどこかに隠し、当日、「はい」と渡してくれた。プレゼントには必ずカードがついていて、「1年ありがとう。来年もよろしくね」「また旅行に一緒に行こうね」などと書いてくれていた。去年のイブの前日、突然娘は別の世界へ旅立ってしまった。前夜11時過ぎ、布団に入ったまま。35歳だった。年が明けて今年の1月中旬、やっと片づける気持ちになって娘の部屋に入ると、クリスマス用の包装がされたプレゼントがあった。ポーチと手鏡。涙が止まらなかった。結局、今もそのまま、部屋を片付けられずにいる。ねえ、今年はお願いがあるの。イブの夜、夢の中に出てきて。いっぱい話をしようよ。だって、「おやすみ」、それが最後の言葉だったでしょ。プレゼント、待っているね。大好きな娘へ。